大学時代弓道を習い始め、大学から始めた初心者として唯一レギュラーに抜擢された4年生の時に技術的に行き詰ってしまったことです。小学校の頃は親に言われるままに剣道や水泳、サッカー、陸上、体操など色々とやっていたのですが、その後中学、高校とお遊びで野球などをやっていた以外は帰宅部だった私は基礎的な体力や身体能力に乏しく、その砂上の楼閣のような身体でいくら練習してもある程度以上は上達できないと痛感したのです。
当時、青山にあった西野塾での稽古の印象は鮮烈でした。
正に生命の躍動というのでしょうか、西野先生との対気で塾生が葉っぱのように吹っ飛ばされていく光景は、テレビで見れば怪しいと感じるかも知れませんが、実際に目の当たりにすると疑う余地の無い現実でした。
私はすぐにのめり込み、なけなしのバイト代をはたき、卒業旅行も諦めて多いときは週に5回稽古に通いました。
海外を旅するのも貴重な経験になりますが、その時は小宇宙である身体の中を旅してみようと思ったのです。
効果はすぐに表れ、身体が強靭になって練習しても疲れ知らずになり、風邪ばかりひいていた虚弱体質が明らかに改善し、試合でも活躍して卒業前の審査で四段を頂きました。
そのことを西野先生に報告すると、「そうか、良かったなぁ!」と仰ってくださったのを今でも鮮明に覚えています。
次に、東京在住の私が「九州大分」として公認団体を主宰するに至った理由を述べたいと思います。
私は2歳から7歳まで父の仕事の関係で鹿児島に住んでおりました。
父はその後も二度目の鹿児島赴任をしたのですが、今ではその時楽しそうに単身赴任していた父の気持ちが分かります。
九州は本当に良いところですよね。
私も社会人2年目に大分に転勤となり、約2年間大分で過ごしました。
その時は西野塾に通えなくなると思い非常に落ち込んだのですが、大分から当時の大阪本部に通っている遠距離会員達が、とある社交ダンスの教室に入り浸っていることを偶然知り、私も連日入り浸るようになりました。
その教室の先生はダンスに取り入れるために始めたのですが、入り浸っている人たちは私も含めてほとんどが全く門外漢でした。
当時は、日本全国から西野塾に遠距離会員として通っている人が大勢いました。
特に、大阪は西野先生が毎月第3週の1週間のみ稽古にお見えになるということで、そこを狙って集中的に稽古を受ける遠距離会員が大変多かったのです。
そんな中でも、大分は「たまり場」があったお陰で横の繋がりが強く、フェリーで一晩かけて雑魚寝しながらみんなで通うので強固な連帯感がありました。
私が転勤したのがたまたま大分だったというのは非常にラッキーであり、他県だったら続いていなかったかも知れません。
帰京後も、出張やプライベートで九州方面に行くたびに可能な限り大分に立ち寄り、仲間達との交流は続きました。
遠距離会員というのは、私自身も経験しておりますが、一般の塾生以上に情熱や高い志を持っている方が多いと思います。
しかしながら、いくらやる気があっても周りの状況が許さないと、稽古を続けることは叶いません。
私自身も最近の海外赴任で経験しましたが、稽古をしたくてもその場所が無いというのは大変辛いことです。
無論、西野流の基本稽古は一人でもできますが、一人ではどうしても限界があります。
客観的な観点で指導をしてくれる人やエネルギーを交流し合う仲間がいないと、自分の立ち位置も実力も把握できず、上達は望めません。
そこで今般、私は総本部に公認を頂いて、九州の西野流愛好者の方が堂々と稽古できる場を開設することになりました。
総本部が「NKクラス」や基本の見直しセミナーなどを通じて力を入れている「本来の西野流呼吸法」のエッセンスを伝え、「歩き対気」などを通じて実践している「相互に高め合う稽古」によってレベルを上げていきたいと考えております。
様々な理由で稽古の中断を余儀なくされている九州の愛好家、遠距離会員の皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
勿論、九州在住でなくても大分に来られる機会のある方や初心者も大大大歓迎です!!!